実施してわかった!企業がワーケーションを導入するメリット・デメリット

  1. 副業

働き方改革や新しい生活様式が求められる現代で、今「ワーケーション」という働き方が注目されています!

睡眠不足やストレスでイライラしたり、連日同じ椅子に座っているからか何となく集中できなかったり・・・。数字も気持ちも上向かず、鬱屈している企業や個人は少なくありません。コロナ渦で行動が制限される中、少しでも日常に解放感を得ようと興味関心が強まっている注目ワードです。

ワーケーション

・・・この言葉自体はご存知の方も多いようですが、実際にやってみた人は1割にも及びません。有給休暇でさえためらいがちな日本人にはハードルが高いのでしょうか?経験者が身近におらず、二の足を踏んでいる人が多いのかもしれません。

そこで、この記事では当社が自ら実践して感じたメリットとデメリットを紹介しながら、ワーケーションの魅力についてお伝えしていきます。
興味のある企業や個人にとって少しでも参考になるよう、写真を交えてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもワーケーションって何?

ワーケーションとは、「ワークWork(仕事)」「バケーションVacation(休暇)」を合わせた造語です。細かい定義があるわけではなく、実際の取り組み方は人によって様々です。基本的には旅館やホテル、キャンプ場、ビーチなどの休暇先に集まって仕事をする働き方を指しています。

元々は2000年頃にアメリカで登場したワークスタイルで、近年の仕事の多様化に合わせて世界に広がっていきました。日本では新型コロナウイルスの蔓延に伴ってテレワーク(リモートワーク)が急速に浸透したことで注目されるようになりました。

ワーケーションの実施場所や実施期間に関しても特に決まりはありません。1週間程度しっかり休暇として行くのも楽しいですし、1泊2日でも参加メンバーのスケジュールが取りやすく実践しやすいメリットがあります。現に今回私たちがご紹介するワーケーションも1泊2日のコンパクトなものです。実施場所については参加者のお好みで、行ってみたい場所・仕事してみたい場所を選べばOKです。ホテル・旅館・ビーチ・河川敷・キャンプ場・別荘やコテージ・キャンピングカーなどなど・・・。Airbnbなどを活用するとより豊富なバリエーションが楽しめそうです。

一般的なテレワークはあくまで自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで仕事をしますが、ワーケーションはどこでも働けるテレワークの利点を最大限に活かした働き方と言えます。

ワーケーションで準備するもの・こと

ただの休暇とは違い、仕事道具を持ち込むので荷物の用意の仕方も異なります。こちらに簡単なチェックリストを用意しましたので確認してみてください。

  • パソコン
  • 延長コード
  • ポケットwifi
  • モバイルバッテリー
  • スマホ充電器
  • 宿泊セット(衣類やアメニティなど)

できる限り荷物を増やさないように、必要書類はクラウドに保存したり、宿泊先のワーケーションプランを利用するなどの対策をしましょう。ちなみに当社の場合はAirbnbで那須の別荘をお借りしたので、上記以外にも様々なものを持ちこんでいきました。

  • 夕食・朝食用の食材

夕食は調理時間や手間が抑えられるよう加熱する程度で済むものを揃えました。また、足りないものは近くのスーパーやコンビニで買いだして補充しました。

  • クーラーボックス・氷

食材の保存のために用意しました。キャンプ場などの冷蔵庫がない環境でワーケーションを実施する場合は必須です。お酒を飲む予定であれば氷も余分に持っていくと良さそうです。

  • カメラなどの撮影機材

この記事のような情報発信を見越して持ち込んでいます。ワーケーションは多くの人が認知しているものの実践していない注目ワードです。福利厚生・リクルート用にも活用できるコンテンツです。会社のアピールが可能で、しかもスタッフにとっては適度な息抜きにもなります。どんなものを撮影するか、事前にある程度計画しておくと当日スムーズに進行します。

ワーケーション中の実施内容にもよりますが、研修用の筆記用具やパーティーグッズなども必要になる場合があります。一方でモニターやプロジェクターについては、余程でなければ持ち込まずに済むよう工夫することをおすすめします。後述しますがワーケーションでは良くも悪くも通常と同じ仕事ができるわけではないので、滞在先でもできる仕事をまとめて持ち込むようにしましょう。

当社で実施したワーケーションの模様

メリット・デメリットをお伝えする前に、当社で実施したワーケーションの模様をご紹介します。1泊2日のコンパクトなワーケーションでしたが、非常に充実した時間になりました。このパートでぜひワーケーションの魅力を感じ取っていただければと思います。まだやったことがない方はぜひ参考にしてください。

※感染予防対策を徹底して実施しております。

4月某日。その日の朝は久しぶりにソワソワしておりました。今回のワーケーションは1泊2日のコンパクトなもの。参加メンバーは8人。半数がキャンプ・アウトドア好き・ガチキャンパーというWebマーケティング会社にしては珍しいアクティブメンバーで構成されております。午前中は事務所に集合し、14時のチェックインに合わせて12時ごろに出発です。目的地は那須高原南ヶ丘牧場近くの別荘地。森に囲まれた別荘で社内初のワーケーションです。

ワーケーションの宿

着いてすぐはご想像通り、興奮しながら室内を物色。やわらかな日差しが差し込む吹き抜けのリビングに、大の字になっても持て余すような広々ヒノキ風呂、ふかふかのベッドに暖炉とピアノ。日頃の疲れやストレスを解消するのには充分すぎるほどの快適な空間です。

ワーケーションの作業風景

とはいえ今回はワーケーション。余韻はそこそこに荷物を運び出し、15時には各自業務を始めていました。筆者はサイトコンテンツのテキスト作成、他のクリエイターはコーディングやロゴ作成など、日頃の業務とは大きく変わりません。時折写真や動画の撮影を行いながら、基本的にはいつも通りのことを進めていました。行く前はダラけてしまいそうな予感をしていましたが、いざ仕事を始めてみると思いの外集中できます。途中雨が降った時間があったものの、むしろ集中するには最適なBGMになりました。

ワーケーションは集中できる

18時ごろに業務を終えたら近くの温泉に行き、その後に夕食の準備です。食材を切ったり煮たりするのは時間がかかるので加熱だけで済むものをチョイス。手軽で美味しい夕食になりました。

ワーケーションで夕食

 

ワーケーションでペンネを堪能

朝はウグイスのさえずりで起床。窓の外には赤茶色のお腹が特徴のヤマガラと、コゲラという小さなキツツキとご対面できました(残念ながら撮影できず)。ヒノキ風呂で目を覚ましたら、朝食の準備です。朝食はかつてハンバーガーの名店で修行していたスタッフによるハンバーガーに、元バリスタのスタッフによるコーヒーを堪能。独特な経歴を持つゆかいなメンバーが揃っています。その後は部屋を片付けて、掃除して、11時にチェックアウトして帰路についたのでした。

ワーケーションのメリット・デメリット

コンパクトなワーケーションではあったものの、非常に充実した時間になりました。今回の体験で、少ない時間でもわかったことがありますので共有していきたいと思います。

メリット1:生産性・モチベーションアップにつながる

森の息吹を感じながらの仕事は何とも言えない爽快感があります。電話や郵便物などが来ず、外から聞こえるのは木立が風で擦れる音と鳥のさえずり、静かな雨音だけ。非日常空間で気持ちは安らぎ、集中して仕事ができます。

この機会をうまく利用して、普段はできないような仕事をするのもオススメです。リクルート用の動画撮影や、今後の経営方針を決定づけるミーティングなど、中長期的な企業の成長につながる業務を進めることができます。解放的な空間で仕事をするので、新しいアイディアや画期的な問題解決策が生まれるかもしれません。また、普段仕事に追われている人にとっては適度な息抜きになるので、社員の満足度を向上できます。

メリット2:有給休暇取得率の向上につながる

日本の有給休暇消化率は世界でもワーストランク。休みを取ることに罪悪感を持つ人も多いです。ワーケーションを導入することで仕事への関わりを持ちながら休暇できるため、有給休暇消化に対するハードルを下げる効果が期待できます。これにより長期休暇も取りやすい環境になっていくはずです。

メリット3:採用(リクルート)に効果的

新しいこと・面白いことを実践している企業として発信でき、働きやすさをアピールできる良い機会になります。自由な社風を求める人は多いので、ワーケーションを実践することで職場の解放的なイメージを伝えることができます。なお、採用についてはまだ当社で検証できておりませんので、良い結果が得られましたらご紹介する予定です。

デメリット1:導入・実践には費用がかかる

「ワーク」+「バケーション」ですから、当然旅費交通費が発生します。また、有線インターネットまたはWi-Fiが使える環境を整える必要があります。実施期間・参加人数によって発生する費用は異なります。会社が負担するか、個人が負担するかは改めて検討する必要があります。

デメリット2:セキュリティ面の不安

仕事をする場所が変わるため、セキュリティの不安があります。パソコンや電子機器の盗難や破損・紛失は注意しなければなりません。旅行先に持っていくものは制限し、チェックアウト時には忘れ物がないか入念に確認しましょう。また、2段階認証の導入やWi-Fiのアクセス制限などを利用するなど管理方法を徹底してください。

デメリット3:向いている職種・向かない職種がある

大きなモニターを使いたいデザイナーは少々苦戦していました。iPadなどを駆使すれば出来なくもないですが、作業効率はどうしても落ち込んでしまいます。医療従事者や小売業の販売員など、現場に居なければ成立しない職種は実行が困難です。実行するとしてもワーケーションではなく社内研修や合宿、完全な休暇として利用することになります。こうした意味でも、ワーケーションが実践できる企業や個人は限られていることがわかります。

ワーケーションを上手に活用するには?

身をもって実感した経験を基に、これからワーケーションを実践したい方に向けてアドバイスをお伝えしておこうと思います。

・ワーケーション中の業務内容を決めておく

ワーケーション中の業務は良くも悪くも普段通りにはなりません。ワーケーション中にやることをあらかじめ決めておきましょう。具体的には、自社用コンテンツ制作や企業方針等を決めるミーティング、社内研修も兼ねたワークショップなどが有効です。ネット環境が優れない場合を想定してネットが使えなくてもできる業務を用意しておくと良いでしょう。息抜きを主目的とするのではレクリエーションを企画するなどして、リフレッシュできる内容に振り切ってみましょう。ワーケーションに決まりはないので、メンバー同士でしっかり話し合って有意義な催しにしていきましょう。

・ネット環境を入念に確認すること

Wi-Fiがない・あっても遅いケースは多いです。キャンプ場や山奥の旅館等ではスマホなども繋がりにくい状況も考えられます。実際、私たちもネット環境が整っている宿を選んだものの、いざ仕事をしてみると回線がすぐに遅延してしまい数名はテザリング等を利用する結果になりました。滞在先のネット環境はしっかり調べて起きましょう。参加メンバーが多い場合は、念のため、各自でテザリングやポケットWi-Fiなどの準備をしておいた方が良いでしょう。

・業務内容・労働時間のルールは明確に

ワーケーションではスタッフの労働時間や業務内容を把握・管理するのが難しくなります。業務報告ルールの徹底や勤怠管理ツール等の活用が必須です。また、従業員が遠隔で仕事するため、勤務態度が把握しづらく、人事評価が難しくなる場合があります。仕事は仕事として集中して取り組むための配慮が必要です。

業務システムを見直し、効果的にワーケーションを導入しましょう。

当社にとっては大満足の結果です。自然豊かな場所で非常にリフレッシュできました。メンバー同士の絆も増々深まったように感じます。

半分仕事・半分休暇のワーケーションは、休暇と仕事それぞれ対する意識を変えるキッカケになります。オン・オフのメリハリがつき、スタッフの満足度や生産性の向上につながります。ただし、ワーケーション導入には様々な課題がありますので、実現に向けて1つ1つクリアしていく必要があります。実施する際もネット環境やセキュリティなどの注意事項を踏まえてしっかり対策しておきましょう。ぜひ、新しい働き方として実践してみてはいかがでしょうか?

永田健人

株式会社Revision マーケター/ライター
就活中にライター業を始める。プロモーション事業やスクール運営を経験した後、(株)Revisionに加わる。現在はメディア運営とWebコンテンツ制作、後輩ライターの指導など活動は多岐にわたる。執筆活動も現役で、スタッフからの信頼も厚い。
株式会社Revision URL : https://re-v.co.jp/

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