サードパーティCookie規制とは?廃止がもたらす影響とWeb戦略の今後をわかりやすく解説

  1. マーケティング

Googleは、GoogleChromeで
「サードパーティCookie(3rd Party Cookie)」のサポートを
2022年までに段階的に廃止すると発表しています。

Appleでは既にSafariでサードパーティCookieをブロックしており、
他のWebブラウザも同じような動向を示しています。

この記事では

  • サードパーティCookieとは?
  • サードパーティCookieの廃止でどう変わる?

をテーマにお伝えしていきます。

「サードパーティCookieがよくわからない!」という方にも
わかりやすくお伝えしていきますので、
この機会にぜひ理解を深めていただければと思います。

サードパーティCookie(3rd Party Cookie)とは

サードパーティCookieを理解するために、
まずは「クッキー(Cookie)」を解説します。

ここで質問ですが、あなたは
IDとパスワードの自動入力を使ったことはありますか?

WebサイトでIDとパスワードを設定し、
「保存する」を選択しておくと
次回ログイン時に既にIDとパスワードが入力されている

という経験をしたことがある方は多いと思います。

Amazonなどでネットショッピングをしていると
過去に閲覧したものの買わなかった商品や
カートに入れた商品が残っていることがあります。

このように、以前使用した情報が残っているのは
Cookieがあるおかげです。

Cookieとは、ユーザーの情報を一時的に
ユーザーのブラウザに保存しておく仕組みで
Webサイトに残る「足跡」のようなものです。

この「足跡」を活用することで
ページを移動したり時間を開けたりしても
同じユーザーかどうか判別できるようになります。

(※厳密には同じブラウザかどうかを判別します)

Cookieは主に2種類

CookieはファーストパーティCookieと、
今回の本題であるサードパーティCookieがあります。
※セカンドパーティーCookieはありません。

ファーストパーティCookie

ファーストパーティCookieは
訪問しているWebサイトのドメインから
直接発行されるCookieのこと。

ログイン情報や閲覧履歴、カート情報などは
そのWebサイト上だけで保存されているものです。

前章で紹介したサイト上に情報が残っているのは
ファーストパーティCookieを活用しています。

サードパーティCookie

そしてファーストパーティCookieと対になるのが
サードパーティCookieです。

「第三者(サードパーティ)」という名の通り、
訪問しているサイトとは異なるドメインから
発行されるCookieのことです。

Webサイトで物件探しをしていたら
他のサイトでも物件情報の広告が頻出するようになったり
脱毛サロンを調べた後、広告が脱毛関連だらけになる

といった経験はありませんか?

よくわからない方は試しに
物件情報や脱毛サロン、婚活サービスなどを検索してみてください。
関連した広告が他のサイトを見ていてもよく出るようになるはずです。

広告主の立場になってみると、
サードパーティCookieを活用することで
一度興味を示したユーザーに繰り返し宣伝できます。

広告主にとっては広告効果の精度が高まる便利な仕組みですが
ユーザーにとっては
「別のサイトにまで追跡してくる気味の悪いもの」
と嫌悪感を抱くものになっています。

リアルでたとえると
コンビニで抹茶オレを手に取っただけ(買ってない)で
系列でもないカフェやスーパーなどで

一斉に抹茶オレを勧められるようになる・・・というイメージです。

サードパーティCookieは各社が廃止を発表

冒頭でお伝えした通り、
Googleは個人情報保護のための施策として
GoogleChrome上でのサードパーティCookieのサポートを
2023年に廃止することを発表しています。

※具体的な日時については2022年6月1日時点で判明していません。

行き過ぎた個人情報の収集や追跡を規制し、
サードパーティCookieの利用を禁止する動きが強まっているのです。

リマーケティング・リターゲティング広告には強い逆風に

サードパーティCookieが使えなくなるということは
リマーケティング・リターゲティング広告が
事実上使えなくなるということです。

広告効果としてもマイナスになる予測がされており、
Googleが独自に調査を行った資料によると、

「サードパーティCookie を削除すると、
パブリッシャーの広告収益が52%減少する」

という調査結果を発表しています。

出典(pdf):Google   “Effect of disabling third-party cookies on publisher revenue”

これまではサードパーティCookieのおかげで
自分に関係がある広告が流れていましたが
サードパーティCookieが廃止になれば
自分に関係のない広告が流れてくるようになります。

興味のない広告ばかり流れるのは邪魔なだけで
ブロックされる確率も上がります。

つまり、サードパーティCookieが廃止になると
Webブラウザ上での広告戦略が非常に難しくなる
と予想されています。

サードパーティCookieの廃止は決まっていることなので
これに抗うこともできません。

そのため、
これまでリマーケティング・リターゲティングで
顧客を獲得してきた広告主は、
新たなマーケティング戦略を実行する必要があります。

サードパーティーCookieの廃止でマーケターが意識すべきこと

広告運用は見直しが必要

サードパーティCookieの廃止により、
リマーケティング・リターゲティング広告には
大きな影響があると予想されています。

リマーケティング・リターゲティングに依存している企業は
運用方法の見直しが求められます。

SNSの活用やコンテンツマーケティングへの注力など
Cookieに頼らないマーケティング戦略を打ち出す必要があります。

Cookieに代わる代替案に期待?

サードパーティCookieは廃止されますが、
GoogleではサードパーティCookieに代わる代替案が検討されています。

プライバシーを保護しながらユーザーに関連性の高い広告を配信できる
新たな仕組みとして「Privacy Sandbox」を提唱していますが、
課題の解決には様々な壁があるようです。

この辺りの動向には注視しながら柔軟に対応していきましょう。

ファーストパーティデータを活用

サードパーティCookieの廃止後もファーストパーティCookieは残ります。

サイトのアクセス解析や、自社サイトの会員情報、ECサイトの利用状況は
これまで通り活用できます。

特にGoogleアナリティクスは2023年7月にGA4に移行し、
これまではできなかった新しい管理・分析が可能になります。
GA4へのアップデートについてはこちらでも詳しく解説しています。

▶GA4(Googleアナリティクス)とは?適した移行時期と導入方法

顧客データの収集方法を見直し、
顧客にメリットのある形で取得できるように整備していきましょう。

Web戦略に終わりはない

サードパーティCookie廃止の具体的な日時は明言されていませんが、
リマーケティング・リターゲティングに代わる施策は検討する必要があります。

Web業界において常識や必勝法なるものはありません。
絶えず変化する時代の流れをすばやく感知し、柔軟に対応していくことが重要です。

最新情報を欠かさずキャッチして、万全の準備を進めていきましょう。

山川晃太郎

株式会社Revision 代表取締役
業界未経験からITべンチャーへ。わずか半年で支社長にまで上り詰める。
2019年3月に(株)Revisionを創業。現在自社の精鋭スタッフ、
50名以上のフリーランスと共に企業プロモーションを手掛けている。
株式会社Revision URL : https://re-v.co.jp/

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