GA4(Googleアナリティクス)とは?適した移行時期と導入方法

  1. WEBサイト制作

実は今(2022年5月)、Web業界では静かな混乱が起きています。
これまでのGoogleアナリティクス(UA)が2023年7月1日に終了するからです。
2023年7月1日、これまでのGoogleアナリティクスはキッパリ終わります。

「あと1年もあるんだから慌てる必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、
今のうちに移行しておかないとアクセス解析に不都合が生じる恐れがあります。

また、GA4では計測方法や分析できる内容も大きく変わるため、
私たちの頭も切り替えてGA4に慣れていく必要があります。

この記事では、

  • GA4とはどのようなものか?
  • これまでのアナリティクス(UA)と何が違うのか?
  • いつから移行・開始したら良いか?
  • どのように導入していくか?

をわかりやすく解説していきます。
今回ご紹介するポイントを押さえて、ぜひ実行に移していただければと思います。

GA4(Google Analytics 4)とは

GA4とは「Googleアナリティクス4プロパティ」のこと。
GA3とも言える従来のアナリティクスの次世代バージョンのGoogleアナリティクスです。

※従来のGoogleアナリティクスは、GA4と区別するため
ユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれるようになっています。

これの何がWeb業界を混乱させているのかというと、
GA4になると仕組みも計測方式もレポートもガラッと変わってしまうからです。

これまでのGoogleアナリティクス(UA)からGA4には
勝手に自動で切り替わるわけではないため、
手動で各種設定を実施する必要があります。

GA4はこれまでのGoogleアナリティクス(UA)と何が変わった?

「UAとGA4は別物」と言っても過言ではありません。
これまでもバージョンアップは何度かありましたが、
計測方式まで大きく変わるのは初めてのことです。

Webとアプリをまたいだ計測が可能

GA4では「データストリーム」という項目が追加されました。
これにより「Webからアプリに移った」というような
Webとアプリをまたぐユーザーの行動であっても、
同じユーザーとして計測できるようになりました。

予測機能の導入

GA4ではGoogleの機械学習を活用した予測指標が導入されています。
「購入の可能性」「離脱の可能性」などを予測でき、
ユーザーの行動を予測できるようになりました。

プライバシー重視の計測

GA4ではIPアドレスを保存しなくなりました。
プライバシー保護とユーザーデータの管理について
ユーザーの期待に応える形にアップデートされています。

ページ単位からイベント単位へ

従来にのアナリティクス(UA)では
「ページを開いて表示されること」
を計測基準にしていました。

しかし、現代ではパソコンやスマホ、タブレットなど
複数のデバイスを1人が使い分けることもあり、
ページを軸にした計測では時代に合わなくなっていました。

これまではページ遷移(ページの移動)を計測していましたが、
これでは「ページ内で何をしたか」までは辿れない仕様になっていました。

たとえばWebページ内に動画が埋め込まれている場合。
動画を再生するとその動画を閲覧していることになりますが、
これまでのアナリティクスでは計測できません。

ましてや、ページを訪れたユーザーが動画をどこまで視聴したか、
どのタイミングで止めたのかまでは計測できませんでした。

これらの課題を解決するために登場したのがGA4です。

GA4では「イベント」を軸に計測するようになり、
同じユーザーが複数のデバイスで閲覧しても
しっかり同じユーザーとして判別できるようになります。

また、GA4ではページのスクロール量の計測も可能です。
スマホサイトの場合はページが縦長になることが多いのですが、
GA4では「どれくらいスクロールしたか」を計測できるようになっているため
ページの利用状況を把握しやすくなります。

直帰率はエンゲージメントに

GA4では「直帰率」がなくなります。

直帰率は1ページだけ見て帰ってしまった割合を表す数値です。
直帰率が高いとページ評価が下がり検索順位も下がる、と言われていたため
Web業界では直帰率を減らし少しでも他のページも見てもらおうと
あらゆる手を尽くしてきました。

しかし、直帰することが必ずしも悪いわけでなく、
そのページを見て、すぐに問題を解決できたのであれば直帰もあり得ます。
たとえば英単語の和訳を調べるのは数秒で済みますし、
1ページでも長い時間じっくりスクロールしていれば良いコンテンツかもしれません。

GA4では直帰率の代わりに「エンゲージメント」という重要な指標が登場しています。
エンゲージメントは「サイトやアプリにおけるユーザー操作」の指標と定義されていて、
Googleでは以下のサンプルを挙げています。

  • コンテンツ配信:ページを下方向へゆっくりスクロールする
  • eコマースサイト:商品の詳細ページを閲覧する、特定のページに一定時間留まる
  • オンラインバンキングアプリ:口座の残高確認
  • 大学のサイト:情報動画の視聴

参考URL:アナリティクスヘルプ エンゲージメント: 定義


公式が出している情報が曖昧ですが、上記の行動をユーザーが取ると

エンゲージメントにつながるということです。

・・・ここまででイマイチわかっていない方のためにザックリまとめると、
「時代遅れになっていた計測方法が現代に合った形に変わった!」
ということです。

対前年比データを使いたいならGA4は早期移行を!

現在もUAを使っていて、対前年比データを利用しているなら
早めにGA4に移行する必要があります。

UAは2023年7月1日に終了することは先ほどお伝えしましたが、
このタイミングでそれまでのデータも閲覧できなくなります。
エクスポートしてデータを残しておけば問題ありませんが
UAから直接確認できなくなります。

そのためGA4で前年同月データと比較したい場合は、
遅くても2022年6月には移行しておく必要があります。

2022年6月に間に合わなかった場合は、
UAデータを毎月残しておけばどうにかなるかもしれませんが
早めの移行に越したことはありません。

「前年のデータは見ない!要らない!」という方でも
2023年7月1日までには済ませておきましょう。

GA4(GoogleAnalytics4)の導入方法

急かしてしまいましたが、
GA4の導入は難しくありません。

UAとGA4は併用が可能なので
とりあえずGA4の導入だけ進めておけば安心です。

今回は【既にUAを使っている場合】のステップを紹介します。
まだGA4に移行していないアカウントは
UA管理画面の最上部に下記のような通知が届いています。

まだGA4に移行していないアカウントは画面上部に通知が届く

「2023年7月1日より、ユニバーサルアナリティクスでは
標準プロパティで新しいデータの処理ができなくなります。
それまでにGoogleアナリティクス4プロパティに切り替えて
設定を進めておきましょう。」

この通知の右側にある「開始」をクリックすると
簡単に移行を始められます。

1.UAの管理画面の「管理」から
プロパティ欄にある「GA4設定アシスタント」をクリック
2.「新しいGoogleアナリティクス4プロパティを作成する」
→「はじめる」をクリック
3.チェックを付けたまま「プロパティを作成」をクリック


これでGA4プロパティの作成は完了です。
しかし、これだけではデータを収集できません。

4.GA4プロパティを選択し、「設定アシスタント」をクリック
5.「プロパティ設定」→「Googleシグナルのデータ収集」
→「Googleシグナルを有効にする」を選択し、有効化
6.「データ設定」→「データ保持」の期間を12ヶ月に変更


あと一息。最後にGA4タグの設置を行います。

7.「設定アシスタント」→「タグの設定」の「>」をクリック
8.「タグ設定手順」から「グローバルサイトタグ(gtag.js)」をクリック
9.表示されるタグをコピー
10.計測するサイトにコードを貼り付ける


Wordpressの場合は「テーマエディター」にある
「header.php」の</head>の直上に貼り付けて
「ファイルを更新」を選択すれば完了です。

最低限のポイントをおさらい

GA4に関する要点をザックリまとめます。
よくわからなかった方はここだけでも押さえてください。

1.2023年7月1日にGoogleアナリティクスが完全移行
2.計測方法や数値がガラッと変わる
3.今までのアナリティクス(UA)は使えなくなる
4.対前年比データを収集したいなら2022年6月中に移行すること
5.よくわからなくても導入だけしておくこと


なお、GA4はまだ完成されておらず
毎月何らかのアップデートが行われている状況です。

Web業界内でも移行期間になっているので
逐一情報収集を行い、知識を得ることが重要です。

GA4への移行や導入・設定についてお困りでしたら
ぜひお気軽に当社までご相談ください。

山川晃太郎

株式会社Revision 代表取締役
業界未経験からITべンチャーへ。わずか半年で支社長にまで上り詰める。
2019年3月に(株)Revisionを創業。現在自社の精鋭スタッフ、
50名以上のフリーランスと共に企業プロモーションを手掛けている。
株式会社Revision URL : https://re-v.co.jp/

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