A/Bテスト

A/Bテスト

A/Bテストは、広告やWebサイトなどのテスト実施対象に関して、それぞれ変更を加えたパターンを2つ用意し、「どちらがより目的に対して効果を上げられるか」を検証するものです。

A/Bテストを適切に行なうことで、コンバージョン率(CVR)とクリック率(CTR)の向上に繋げることができます。

A/Bテストについて、テストの実施対象や具体的な手順、A/Bテストに役立つツールを紹介します

1.A/Bテストの実施対象

まずは、A/Bテストの対象となるものには何があるのか、そして、それぞれの対象でテストパターンを作成すべき要素について、具体的に解説します。

1-1.広告

「広告」におけるテスト実施対象は、主に以下の3つです。それぞれの対象ごとに、パターンを作成し検証すべき要素は異なります。

・バナー
・広告文
・ランディングページ(LP)

・バナー
Web上で伝えたい情報、ユーザーに移動させたいページを目立たせる役割を持ちます。

バナーはユーザーの興味を引きクリックさせられる「勝ちパターン」を作る必要があり、画像のデザインやバナー内の文章、サイズなどがテスト対象です。

・広告文
「広告文」は、おもにリスティング広告における文章を指します。広告文は基本的に

・広告見出し①
・広告見出し②
・説明文

という構成となっており、それぞれの構成ごとに複数の文章パターンを作り、適宜パターンの組み合わせを変えながらテストを実施します。

・ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)は、広告をクリックした先で表示されるWebページのことです。

LPでパターンを作り変更させる箇所は、画像や文章の内容、リンクボタン、バナーの配置などです。

これらの要素を一部変更したうえで、内容が異なる2パターンのランディングページを用意しページごとに比較します。

1-2.Webサイト

ホームページや商品を紹介するサイトの一部でテストを実施し、CV結果のデータ比較・検証を行ないます。

WebサイトでのA/Bテストは、「トップページ」で行なうのが効果的です。メインビジュアルの変更やリンクボタンの位置、サイト紹介文などが変更要素となります。

1-3.アプリ

アプリのA/Bテスト対象は、「アプリストアページ」と「アプリ内」に分けられます。

アプリストアページの場合はランキング上位表示を目指すためにアプリのスクリーンショット画像や説明文などがテスト対象となります。

対してアプリ内の場合は、アプリ内での新機能、追加機能やアプリ内のデザインがテスト対象です。

2.A/Bテストの具体的な実施手順とポイント

A/Bテストの実施手順は、何をテスト対象にするかによっても多少異なる場合がありますが、基本的には以下の5Stepとなります。

Step① 目的の整理と改善箇所の特定
Step② 仮説を立て、影響範囲を予測する
Step③ テストパターンの作成
Step④ テストの実施
Step⑤ テスト結果の検証

ここからは、A/Bテストの実施方法とポイントについて、手順ごとに解説します。

2-1.Step① 目的の整理と改善箇所の特定

目的の整理と改善箇所の特定
まずは、なぜA/Bテストを行なうのか、その目的を整理します。目的は後の手順においても重要な要素のため、明確に把握しておく必要があるでしょう。以下は、A/Bテストを行なう目的の具体例です。

・サイトの途中離脱率を下げたい
・バナーのクリック率を改善したい
・ユーザーの登録数を増やしたい
・商品・サービスの購入や申し込み率を上げたい など

目的を整理したら、目的達成のためにどこを改善すべきか特定します。例えば、バナーならデザイン、サイトの途中離脱を下げたいならUIの改善やサイト内テキストの変更などが改善箇所と考えられるでしょう。

2-2.Step② 仮説を立て影響範囲を予測する

目的を決めたら、適宜分析ツールなどを用いてテスト対象の調査を行ない、修正すべき箇所の改善策に関する仮説を立てます。ユーザーの心理を踏まえ、

・現在の広告文がわかりにくいのではないか
・ページの色使いを変更すればCV率が上がるのではないか

など、可能性のある仮説を可能な限り多く羅列するのがポイントです。

同時に、「仮説に基づいて変更を行なった場合、どこに影響が出るか」を予測しておきましょう。

あらかじめ影響範囲を予測しておくことで、テスト後の検証が行ないやすくなると同時に、かえってCV率が低下したなどの不測の事態にも対応しやすくなります。

2-3.Step③ テストパターンの作成

テストパターンの作成
仮説と影響範囲の予測に基づいて、テストパターンを作成します。以下は、仮説別に作成すべきテストパターンの具体例です。

【仮説:現在の広告文がわかりにくいのではないか】
テストパターンA:現行の広告文
テストパターンB:文章の内容を変更した広告文

【仮説:フォーム送信での離脱率が高い原因は、入力項目の多さにあるのではないか】
テストパターンA:現行のフォーム送信ページ
テストパターンB:入力項目を削除し、簡潔化したフォーム送信ページ

テストパターン作成においては、サイトや商品・サービスのユーザー層を把握し、「仮説の検証および現状の課題の改善が見込めるかどうか」を軸に作成するのがポイントです。

2-4.Step④ テストの実施

テストの実施
テストパターンを必要数作成したら、実際にテストを行ないます。A/Bテストは、「逐次テスト」と「並行テスト」のどちらかを選び実施するのが一般的です。テストを行なう期間は、最低1週間から長くても1ヵ月以内が目安となります。

逐次テスト
テスト対象となるサイトや文章、デザインなどを元に要素が一部異なるパターンを2つ用意し、それぞれ別の期間にテストを実施します。ツール等を用いる必要がなく手軽な反面、期間が異なるために実施時期によっては正確な結果が得にくい場合もあるため注意が必要です。

並行テスト
異なるパターンを2つ用意するのは逐次テストと同様ですが、並行テストは2つのパターンを同時期かつ同条件で行ない比較検証します。

並行テストの場合は、異なるページをユーザーごとにランダムで振り分けて表示させるのが特徴です。同時期に検証できるため、逐次テストに比べてより正確な結果を得やすいといえます。

2-5.Step⑤ テスト結果の検証

テストの結果が出たら、仮説の正誤やテスト結果の検証を行ないます。結果が悪い場合はその原因と新たな仮説と改善策を考え、結果が良かった場合はより良いパターンや新たな課題を模索します。

A/Bテストは一度実施すれば終了ではなく、これまで述べた手順を定期的かつ継続して実施し、都度課題の発見や改善を行なうのがポイントです。

3.A/Bテストの実施に役立つ専用ツール

最後に、A/Bテストを実施する際に役立つ専用ツールを紹介します。A/Bテストに役立つのは、以下の2つのツールが挙げられます。

・Googleオプティマイズ
Googleオプティマイズ
Googleオプティマイズは、無償で利用できるA/Bテストツールです。テストケースを作成しテストを実行し、同じくGoogleのサービスの一つである「Google Analytics」と紐づけることで結果が確認できます。

・Adobe Target
Adobe Target
Adobe Targetは、画像やUI、キャッチコピーなどのさまざまなパターンの比較テストができるのが強みのA/Bテストツールです。

利用は有料ですが、テスト対象者となるユーザーの条件を細かく指定してターゲティングできるため、その分高い改善効果が期待できます。


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