ヒートマップ分析
株式会社Revision代表取締役山川 晃太郎
ヒートマップ分析とは、Webページにおけるユーザーの行動や反応を色分布を用いて表示し、ユーザーの心理状態を可視化・分析することです。
ヒートマップを導入することで、以下が視覚的に把握できます。
・ユーザーの興味を集めている部分
・離脱ポイント
・UI/UXの問題点
Webデータ解析のような専門的なノウハウを必要とせず、課題の発見や改善を行えます。
1.ヒートマップの種類と分析方法
ヒートマップは、ユーザーのマウスの動きや操作のログをデータ化し、そのデータの強弱を色や濃淡で表現したものです。
データの測定は、ヒートマップツールの解析タグをWebページに設置することで開始されます。ヒートマップには以下の種類があり、目的に応じて使い分けます。
1-1.スクロールヒートマップ
スクロールマップは、ユーザーがページのどの部分までスクロールしているかを表示するマップです。ユーザーがページのどの部分まで閲覧し、どの時点で離脱しているかを視覚的に確認できます。
Webページは一般的に下部に行くほど離脱が起こり閲覧率は低下するため、50%ラインを目安に重要なコンテンツを配置することが望まれます。
極端に早い段階で離脱が発生していると、ページがニーズを満たしていないなど、ユーザー行動を阻害する問題が発生している可能性が考えられます。
1-2.アテンションヒートマップ
アテンションマップは、ユーザーがページを表示させていた時間やその位置でのクリックやスクロール、マウスの動きなどを計測したマップです。
ユーザーが熟読している箇所や、逆に読まずに飛ばしている箇所を確認できます。
熟読が発生する要因はおもに関心度の高いコンテンツですが、読みにくさや見づらさが要因で滞在時間が長くなっていることもある点に留意が必要です。
1-3.クリックヒートマップ
クリックヒートマップは、ページ上でユーザーがクリックした場所を表示したものです。ユーザーの関心度に加え、ボタンやリンクが適切に認識されているかなどのユーザビリティについて分析できます。
リンクが存在しない場所での誤クリックが多く発生している場合には、ユーザーニーズの確認や、ページ構成の改善が必要です。
1-4.マウスムーブヒートマップ
マウスムーブヒートマップは、マウスの動きやカーソルを置いた場所を表示するマップです。マウスの動きは目の動きと関係が深く、ユーザーの思考や行動特性を可視化できます。
ユーザーがページでどのような閲覧行動を取っているかが分かるため、関心を集めるコンテンツが分かるほか、移動の軌跡でページのユーザビリティ上の問題把握にも役立ちます。
1-5.タッチアクションヒートマップ
タッチアクションヒートマップは、スマートフォンやタブレットにおけるユーザーの画面スワイプ、フリック、ピンチイン・アウトなどの動きを表示するマップです。
ユーザーの関心が高い箇所が分かるほか、小さくて見づらいといったユーザビリティの問題点を明らかにできます。
スマートフォンやタブレットでは、表示される情報量だけでなく、ユーザーの行動特性もPCとは異なります。スマホでのサイト最適化を考えるためには、タッチアクションヒートマップの利用が不可欠です。
2.ヒートマップ分析によるサイト改善
ヒートマップを活用すれば、さまざまなサイト改善が可能です。具体的な進め方の例を紹介します。
2-1.LPのコンバージョン率アップ
LPの成果が上がらない場合、以下のような改善によりコンバージョン率アップが期待できます。
・滞在時間の長いコンテンツを上部へ移動
・読み飛ばしが発生しているコンテンツの削除
・CTAボタン位置の改善
ユーザーが関心を持つ場所からユーザーのニーズが判断できるので、その内容を充実させることで、コンバージョン率アップが期待できます。離脱が早過ぎる場合には、訴求内容を変更することで、改善が図れるでしょう。
2-2.読まれるコンテンツの制作
ヒートマップを分析すれば、ユーザーの熟読コンテンツや離脱ポイントが分かるため、コンテンツがユーザーに届いているかどうかを明確にできます。
熟読されているコンテンツは、さらに情報を厚くしたり、上部に配置することで、ユーザーの満足度が上がります。
逆に、ユーザーに読んでほしい箇所が読まれていないのであれば、ユーザーのニーズを満たすようにコンテンツ内容の再考を行います。
意図していないのに読まれている箇所があった場合には、ターゲットとの意識のずれも考えられます。ユーザーニーズを再確認する必要があるでしょう。
2-3.ユーザビリティの改善
熟読エリアの近くにCTAボタンがなかったり、到達するために余分な移動距離が発生したりしていると、コンバージョンの取り逃しに繋がります。リンクやボタンがクリックされていない場合には、ユーザーにとって認識しづらい可能性もあるでしょう。
また、クリックの箇所によっては、詳細確認や画像拡大などのニーズに対応できていない可能性があります。
クリックヒートマップやマウスムーブヒートマップを活用すれば、このようなページ上のユーザビリティの問題点を発見し、改善を図れます。
ヒートマップは、ユーザーの関心や行動特性を明らかにでき、サイト改善に役立ちます。
しかし、ヒートマップだけでは分析ができない行動要因もあるので、アクセス解析やユーザーテストなどの併用が必要です。
UI/UXの改善には、ユーザーの行動記録を忠実に再現するセッションリプレイを用いて検証を行うと良いでしょう。
RevisionではWeb制作からプロモーション、運用フォローまで、Webのあらゆる業務をワンストップでサポートいたします。実績豊富な各部門のプロフェッショナルが在籍していますので、ヒートマップ分析を活用したサイト改善をお考えの企業様は、ぜひご相談ください。
メディア監修者
株式会社Revision代表取締役山川 晃太郎
株式会社Revision代表取締役 山川晃太郎
マーケティングを強みにしたWeb制作を中心に事業を展開。
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